アドラー心理学に基づく    子育てサークルAdlerjala   (アドラージャーラ)活動報告


by adlerjala
第12回AdlerjalaでMさんがお話ししてくださったエピソードです。
記事にすることを快諾してくださってありがとうございましたemoticon-0115-inlove.gif


    〜だまっちゃった子〜

Mさんが親戚のお子さんの小学2年生のYちゃんきょうだいと、
Mさんのご両親たちと一緒に公園に遊びに行きました。
MさんとYちゃんは一緒にすべり台で楽しく遊んでいたのですが、
急にYちゃんが暗い顔をしてすべりました。

すべり終わった後、Yちゃんはじっとうつむいて黙っています。
Mさん「どうしたの?何かあった?」
Yちゃんはあいかわらずうつむいて黙っています。
Mさんは「どうしたのかな?」と聞きますが
Yちゃんは答えず黙っているので、困っていると、
Mさんのお父さん(Yちゃんのおじいちゃん)が
「なんだYちゃん、やっぱりコイにエサやりたかったんかあ〜。
 エサのお金あげるから、行ってきんさい。」と言いました。

Mさんが「コイにエサあげに行こうか?」と言うと、
Yちゃんは素直についてきました。
コイにエサをやり始めると、Yちゃんはごきげんになりました。


     〜 完 〜


普段あまり会わない親戚のお子さんのYちゃんと一緒に遊ぶことになって、
楽しく遊んでいたのに急にうつむいて黙ってしまったので
Mさんは困ってしまって、どうしたらよかったのかわからなかった、
とお話ししてくれました。
Mさんが「どうしたの?何かあった?」と聞いたとき、
Yちゃんになんて答えてほしかったのかとお聞きすると
暗い顔をしている理由を答えてもらいたかったそうです。

さてこの仮想的目標は、協力的な目標でしょうか?それとも競合的でしょうか?
・・・もちろんとっても協力的ですよね!と話し合いました。
Yちゃんが理由を話してくれたら、
Mさんはできる限りYちゃんを明るい気持ちにできるように手助けをしたかったと
お話ししてくれました。

そこで、今回はエピソード分析はせずに、パセージテキストを使いながら
よりよい方法を考えることにしましたemoticon-0171-star.gif

ちょっと私が不思議だったのは、
Yちゃんのおじいちゃんが「なんだYちゃん、やっぱりコイにエサやりたかったんかあ〜」
と、「やっぱり」というセリフを使ったところ、
そしてYちゃんがコイのエサやりに素直についてきた、というところでした。
Mさんはこのことについて、
Yちゃんはよくおじいちゃんにこの公園に連れてきてもらっていて、
よくコイにエサをやって遊んでいるんです、と説明してくれました。
なるほど!それでおじいちゃんは「やっぱり」って言って、
Yちゃんのごきげんが良くなる方法を提案してくれたのですね!
おじいちゃんナイスアシストでしたemoticon-0148-yes.gif


でも、Yちゃんのことをよく知っているおじいちゃんがいない場合や、
また別の子どもさんが黙って答えてくれないとき、
「コイにエサをやろうと言う」っていう方法は使えないので(笑)
子どもさんへの質問の仕方の工夫について考えました。

パセージテキスト11ーL、「さらに子どもの話を聴く」を使いました。
開いた質問とは、
「いつ?」「どこで?」「どんなふうに?」「それからどうしたの?」など、
子どもの考えを聴くために使うことができます。
Mさんはこのエピソードのとき、Yちゃんの気持ちを知りたいなと思って、
開いた質問をしていたわけですね。
でもそれに対して、Yちゃんは答えてくれなかった。

閉じた質問とは、
YesかNoで答えられる質問で、「あなたは〜と感じているのかな?」というように
こちらの考えを子どもに伝えるために使うことができます。
こちらの推量がもし当たっていれば、
子どもにとって仲間だなと思ってもらえるでしょうし、
もし外れていても、「それは違うよ」と言ってもらえれば、
子どもの考えを聴くきっかけになります、
ということがパセージテキストには書いてあります。


このエピソードのときのMさんの行動はとっても協力的で素敵だったと思いますが、
次に同じようなことに困ったら、
「どうしたのかな?」と開いた質問で聞いてみた後、
「Yちゃんは、もう一度すべり台すべりたかったのかな?」とか、
「他のことして遊びたいのかな?」とか、
「もしかして、〜って思ってるのかな?」
というように閉じた質問を使ってみるといいかもしれませんね、
と話し合いました。

こういうふうに聞いてもらえたら、私の気持ちをわかろうとしてくれてるんだなあ、
なんだか大事にしてもらってるなあって、子どもは思えると思うんです。
Mさんのお話しをうかがって、私はよく知っている自分の子どもに対しても、
こういうふうに寄り添って、
子どもの気持ちをていねいに聴いていきたいなあと思えました。
Mさん、素敵なお話をどうもありがとうございました。



他のメンバーさんからは、このお話はMさんとYちゃんとがよい関係だから、
Yちゃんは黙るということだけですんだんじゃないかな、という意見が出ました。
開いた質問に答えない、という行動の目的は、
そうやって黙っていることで注目関心を得るということではないかな、と。
そうですね、その可能性は大いにありそうです。
だってMさんはYちゃんのことが気になって、とっても困ってしまいましたものね。
注目関心を引くの、Yちゃん大成功ですemoticon-0136-giggle.gif
でも、もしMさんと関係がもっと悪かったら、
Mさんがもっと困るような、泣いたり叫んだり、あるいはお兄ちゃんを叩いたりとか
色々な行動を選ぶことだってできたと思います。
それが、黙ってうつむいているだけだったというのは、
MさんがきちんとYちゃんに向き合えていたということの表れだったのかもしれませんね。

Yちゃんは実際、黙っているうつむいているだけで、
おじいちゃんのナイス推量によって、コイにエサをやれたんです。
なかなかの腕前ではありませんか・・・!
子どもには、困ったときや、自分が何かしたいときに、
自分の言葉で周りの人にお願いをする、ということを学んでもらいたいものですよね。
MさんがYちゃんの気持ちを推量しながらYちゃんの気持ちを聞いていく、
ということは、Yちゃんにとってもよいことを学ぶきっかけになりそうですemoticon-0111-blush.gif


Mさんのご親戚は、みんなで子どもたちを世話していて
とても素敵だなあという話にもなりました。
子育てっていう大変なことは、母親がひとりきりでできるようなものではありません。
周りの人に助けてもらいながら、社会の中で子どもは育っていくのですね。
それに、子育てっていう楽しいことを、母親がひとりじめしてもいけないですよね。
おじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさん、あるいは近所の人たちも、
子どものいる暮らしを一緒に楽しんでいけたら、
それはとても幸せな社会だなあと思います。

みなさま、今回もたくさんの深い学びをありがとうございました!


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# by adlerjala | 2016-05-16 18:23 | エピソード

第12回Adlerjala

5月12日に、Adlerjalaを開きました。
いいお天気に恵まれて、さわやかな朝でした。
参加メンバーは大人3人+ちいさい子2人でしたemoticon-0102-bigsmile.gifemoticon-0102-bigsmile.gif
この1歳の子たちにちいさな友情が芽生えはじめたようで、
それがたいへんかわいらしくて嬉しい気持ちになりました。
みなさま来てくださってありがとうございましたemoticon-0152-heart.gif


はじめに、連休中のようすなどをお聞きしました。
私が連休中にアドラー心理学秘訣講座に参加したことなども報告しました。
講座に出て、前回Aさんにしていただいたお話に試してみたエピソード分析は、
私がやり方を間違ってすすめてしまっていたことがわかりました。
大きな方針としては、権力争いのエピソードとして扱う方がよかっただろうということです。
エピソード分析の手法をうまく使いこなせるように、
また機会があれば練習させてくださいね。



それからMさんにエピソードをお話ししていただきました。
親戚の小学2年生のお子さんとのやりとりで困ったときのお話でした。
このエピソードではMさんがとっても優しくて協力的だなと感じたので、
Mさんがもっと子どもさんを手助けできるような工夫を
パセージテキストを使って考えてみました。

自分の子どもではない子どもさんとのやりとりって、けっこう緊張しますよね。
その子がどういう考え方をするのか、よく知らないし・・・
自分のことを仲間だと思ってもらえる自信もないし・・・
でもこういう場面でも、私たちにできることは
やはり「子どもの話を聴く」ということだと思います。

Mさんは、どうしたのかな?何があったの?、と
「開いた質問」で子どもさんの気持ちをきこうとしたのですが、
子どもさんは何も答えずに黙っていたので、
どうしたらいいのかわからなかったということでした。
開いた質問に対して子どもが答えたくないときは、
Yes/Noで答えられる「閉じた質問」で、
相手の気持ちを推量してみるのもいいかもしれません。
その推量が当たっていても外れていても、
子どもは、この人は自分の気持ちを考えてくれてるんだって、
この人は仲間だなって、感じてくれると思いますemoticon-0171-star.gif


次にKさんにエピソードをお話ししていただきました。
アドラー心理学の目指すものは、協力的な人間関係を築くということです。
家庭では、異なった考え方をもった人々が一緒に暮らしているんですよね。
だからこそルールというものが必要ですし、
そのルールはみなが納得できるものでなければいけません。
異なった考え方をする人どうしが、
どうすれば仲良く、協力して暮らしていけるでしょうか。
いろいろと考えさせられるお話でした。


エピソードを出してくださったMさん、Kさん、ありがとうございました。
すべての問題が解決するような呪文なんてなくて、
ひとつひとつのやりとりに、ひとりひとりの関係の築き方に、
それぞれに工夫をしていくことしかできないんだなあと感じました。
でもその小さな工夫を通して、
子どもたちに大切なことを学んでもらうこともできて、
私たちの方も成長していくことができるのだと思います。
日々のちいさな困りごとを大切にしていきたいなとあらためて思いましたemoticon-0155-flower.gif
ありがとうございました。




次回以降のAdlerjalaは
5月20日(金)
5月24日(火)です。
ご都合のよい方はぜひいらしてくださいemoticon-0159-music.gif

emoticon-0154-mail.gif m.miho.indigo.horizon@gmail.com
    松村美穂



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# by adlerjala | 2016-05-12 16:21 | 活動報告
第11回AdlerjalaでAさんが話してくださったエピソードです。
記事にすることを快諾してくださってありがとうございましたemoticon-0115-inlove.gif


      〜 遠足のおやつ 〜

Aさんの娘さんは、学校の遠足のために買ったおやつを台所の引き出しにしまっていました。
その日Aさんは体調が悪くて寝ていて、お昼ご飯の用意ができませんでした。
昼過ぎにAさんは台所に行きました。

娘さん「遠足のおやつは?」 (Aさんの感情 ー3)
Aさん「え?買ったでしょ?あるでしょ?」
娘さん「ない・・・」     (Aさんの感情 ー4)
Aさん「ないじゃないでしょ!」
引き出しを開けると、おやつはありません。(Aさんの感情 ー5)

Aさん「食べたの?食べたらないに決まっているでしょ?
    自分で食べたらもうないです。」
娘さん「いやだー!」と泣き出しました。 (Aさんの感情 ー5)
Aさん「泣き声はいいです・・・」と言って寝室に戻りました。

    
      〜 完 〜


今回は、新しく学んできたエピソード分析の手順に沿って進めました。
なのでいつものようにストレンクスを探すことはしませんでした。
ちょっと物足りないかな?と思いつつも必死に進めていきました・・・
たどたどしい進行で申し訳なかったですemoticon-0107-sweating.gif


対処行動はAさんが「え?買ったでしょ?あるでしょ?」と言ったことに決めました。
ライフタスクは娘さんが「遠足のおやつは?」と言ったことです。

次に仮想的目標を定めます。
娘さんに「実はね、お昼に食べるものどうしようかなって思って、
     そしたら遠足のおやつがあるじゃないって思い出して、食べたの。
     お母さんに相談しようかと思ったんだけど、お母さん寝てたでしょ、
     だから自分で決めたの。」
と言ってもらう、ということに決めました。
「人相書き」でこれを仮想的目標だと確定しました。

この仮想的目標をさしあたり協力的だと評価して、
「よかった!」と言うことで感情を静めて、
仮想的目標を「お願い口調」で言ってみます。
「遠足のおやつは、お昼ご飯の代わりに食べたって言ってもらえませんか?
 お母さんに相談しようかと思ったけど、
 寝てたから自分で決めたって言ってもらえませんか?」
これを対処行動の代わりに言ってみます。

何度か役を交代しながら、もとの対処行動と新しい代替案でロールプレイをしてみました。
Aさん自身は、いい代替案だと思います、とおっしゃいましたが、
ロールプレイで娘さん役になったメンバーさんは、
「その通りなんですけど、何にも言えなくて、しゅんってなっちゃいました」
とのことでした。
せっかくですので、Aさんはご自分の私的感覚まで出してみたいですという話になったので、
この先も続けて進めました。

この代替案のもとになっている仮想的目標は競合的だと評価することにして、
ライフタスクに対する思考をお聴きしました。

Aさんが娘さんから「遠足のおやつは?」と言われたときの思考は、こうでした。
「なるほど、おやつを食べてしのいだんだ。
 でもその言い方では何も伝わらないぞ。
 ちゃんと説明してくれたらわかるのに、なぜちゃんと言わないんだろう?
 自分でお腹がすいたことについてちゃんと解決はしたんだな。
 それはいいことだけど、でも私は今はそんなこと言いませんよ。
 「食べた」っていうこと、隠さずに言ってよ。 」

さて、ここからAさんの私的感覚を定めます。
山場です!
みんなでたくさん話し合って、Aさんのお話をたくさんうかがって、
なんとかまとめたのがこちらです。
この話し合いをすることで、Aさんがどのような方なのか、
いろいろな発見がありました。
Aさんが安心して話してくださったことがとても嬉しかったですし、
メンバーのみなさんがあたたかく協力してくださったのもとても嬉しかったです。
(「私的感覚」はたいへんにプライベートな内容なのですが、
 すべて書いてくださいと言ってくださったAさんに感謝です。ありがとうございます!)

「上手に説明する/下手な説明をする」
「良いようにとってもらう/悪気があったと誤解される」
「なんとかなると思う/まずいことになると思い込む」
「問題を解決する行動をする/問題を放置する」
「正直に言う/ばればれな嘘をつく」

たくさん出てきたこれらの私的感覚から、
ひとつ選んで、さらにそれのプラスかマイナスのどちらかの側を
協力的な仮想的目標にします。
今回は、「問題を解決する行動をする」というプラスの私的感覚を
協力的な仮想的目標にしました。

最後に、この仮想的目標を「お願い口調」で言ってみることで
このエピソード分析は終わります。

またいろいろと話し合いをして・・・
「お昼ご飯の代わりに遠足のおやつ見つけたのかな?
 お母さんを起こさないようにしてくれたのかな?」
と言うことに決めました。

この新しい協力的な仮想的目標の代替案でロールプレイをしてみました。

娘さん「遠足のおやつは?」
Aさん「お昼ご飯の代わりに遠足のおやつ見つけたのかな?
    お母さんを起こさないようにしてくれたのかな?」
娘さん「うんそうなの!自分で決めたんだよ(^^)」

わあ、なんて優しいお母さん!
娘さん役のメンバーさんも、演じていないメンバーさんも、
みんな思わずにこにこしちゃいました。
Aさんも、ああこっちの方がずっといいですね、
最初の「遠足のおやつは、お昼ご飯の代わりに食べたって言ってもらえませんか?
 お母さんに相談しようかと思ったけど、
 寝てたから自分で決めたって言ってもらえませんか?」っていうのは、
やっぱりちょっと裁いてる感じがありますね、と話してくれました。

不思議ですよね・・・。
この最初の代替案と後の代替案、使っている言葉自体はよく似ているのですが、
まったく違います。
だから、言い方の問題ではないことは確かです。
「競合的な困った物語」が「協力的な美しい物語」に変わってしまいました。


Aさんは、私的感覚が出たことで、
「いつも怒ってしまう地雷」に名前がついて良かったです、と話してくれました。
それに、「困った事態であってもプラスの方に目がいく場合」にも名前がつきました、と。
嬉しいポイントと、地雷ポイントは、表裏一体なんですね。


試行錯誤しながらでしたが、なんとかよい結果が出せてよかったです。
みなさま、協力してくださって本当にありがとうございました。
そしてあらためて、
記事にすることを快諾してくださったAさん、ありがとうございました。
ものすごく深く、多くのことを学ばせていただきました。



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# by adlerjala | 2016-04-29 01:01 | エピソード

第11回Adlerjala

4月26日にAdlerjalaを開きました。
窓を開けると心地よい、いい気候になってきました。
今回のメンバーは大人4人+小さい子3人で、にぎやかでしたemoticon-0102-bigsmile.gifemoticon-0102-bigsmile.gifemoticon-0102-bigsmile.gif
メンバーさんたちの子どもさんたちがどんどん成長していくのを
見守ることができるのも、ひとつの楽しみになってきました。
小さい子どもって、ほんの2週間の間でも大きく変わりますね!
みなさま、来てくださってありがとうございましたemoticon-0152-heart.gif


今回は久しぶりに常連メンバーさんが全員そろったので、
最近は子どもさんたちとどんな様子だったかをお話ししてもらいました。
子どもと生活していると、日々いろいろなことが起きます。
でもやり取りを少し気にかけながら生活していると、
たとえ嫌なことが起きたり、落ち込んでしまうことがあっても、
それらのできごとのひとつひとつを、
大切なものだと思えるようになるといいなと思います。


さて、先日私は野田俊作先生の「特殊講義と演習『共同体感覚』」を受講してきました。
そこで新たなエピソード分析の演習をしましたので、
今回はその方法を使ってエピソード分析をしてみました。
へたくそな分析におつきあいいただいてありがとうございましたm(__)m
こうしてAdlerjalaでたくさんのエピソードをお聞きして、
メンバーさんと話し合いができることで、どんどん学びが深まっています。
いつもありがとうございますemoticon-0171-star.gif

このエピソード分析の方法は、いつものパセージ的なエピソードの扱い方と違って、
深層心理学であるアドラー心理学そのもの、といった方法です。
パセージを受けたことのないメンバーさんが、
こんなに深くまで掘り下げるんだってびっくりしました、と感想を言ってくださったのですが
まさにその通りなんです!
Adlerjalaでこれから毎回この方法を使うというわけではありませんが、
メンバーさんが自分のことを深掘りしてみたいなあと思われる場合は、
また使ってみようと思います。
まだまだへたくそなのでそこはご容赦くださいね・・・。
練習をさせていただいて、うまくできるよう精進いたします。
(パセージ的というのは、子どもさんに対して
 自分ができるより良い対応策はどんなのかな、と考える見方で、
 アドラー心理学的というのは、子どもさんに対して行動している
 自分の特徴はどんなのかな、と考える見方のことかなあ・・・と思っています。)


今回お話ししていただいたエピソードは、
エピソードの始まる前の時点から、
子どもさんに対してマイナスの感情があったというお話でした。
誰にでもありますよね、どうしても許せないこととか、
急にカチンときて、なぜか怒りのスイッチが入ってしまうポイントって。
今回のエピソード分析の手順には、
自分の地雷ポイント(アドラー心理学用語では「私的感覚」といいます)
を発見するという作業があるのですが、
これがわかると、たとえ怒ってしまっても、ああまたこの地雷で爆発しちゃったのか・・・と、
後で自分でわかるようになります。
するとそのうち、地雷原の歩き方がわかるようになるといいますか、
自分の動かし方がわかるようになって、
子どもさんとのつきあい方もよりよく工夫できるようになると思います。


今回はみなさんのご協力によって、
なんとかメンバーさんの地雷を見つけ出すことができて、
そこから協力的な代替案を見つけることができて、
最後にはこのエピソードが「美しい物語」に変わることができました。

自分を知ること、
相手の良さを知ること、
2人の「関係がよい」とはどういうことかイメージができること、
そういったことが合わさって重なり合えば
「困った物語」が「美しい物語」に変わるのではないかと思いますemoticon-0155-flower.gif

みなさま、どうもありがとうございました!


5月のAdlerjalaは
12日(木)
20日(金)
24日(火)です。
ご都合のよい方はぜひいらしてくださいemoticon-0159-music.gif

m.miho.indigo.horizon@gmail.com
松村美穂


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# by adlerjala | 2016-04-28 23:23 | 活動報告
第10回AdlerjalaでYさんに話していただいたエピソードです。
記事にすることを快諾してくださってありがとうございましたemoticon-0115-inlove.gif


        〜 病院にて 〜

ある日Yさんが娘さん2人を連れて病院に行きました。
5歳の妹ちゃんが先に診察してもらいました。

診察の終わりに、先生が「じゃあお薬出しときますね」と言うと、
妹ちゃんが黙ったまま、パソコンに向かってマウスを動かしている先生の手を
バシバシと叩き始めました。
妹ちゃんの横に立っていたYさんは「妹ちゃん、やめよう」と言いましたが
妹ちゃんは黙ったまま先生の手をバシバシと叩き続けています。
Yさんは2回ほど「やめよう」と言いましたが、妹ちゃんはやめません。

Yさんは「お姉ちゃんの番だから交代ね。」と言って
妹ちゃんをイスから降ろしました。
妹ちゃんはギャー!と叫んで、先生に向かって行こうとしたので
看護師さんが「私がしますから!」と言って妹ちゃんを横抱えにしました。
妹ちゃんは「はなしてー!はなしてー!」と大暴れしました。
顔を真っ赤にして、手を振り回して、今にも看護師さんを蹴りそうです。
Yさんはお姉ちゃんの診察の手伝いをしました。

看護師さんたちは2人がかりで妹ちゃんを他の部屋へ連れて行こうとしましたが、
先生が「奥に連れてってどうする、出すならこっち(待合の方の廊下)だろう」と言いました。
Yさんは「もうその(暴れた)ままでいいので・・・廊下に降ろしてやってください」と言いました。
看護師さんたちは妹ちゃんを診察室の外の廊下に連れて行こうとしました。
妹ちゃんは「いやだお母さんがいいー!」と叫びました。
Yさんは「お母さんは今行けないから自分で出てくれますか。」と言いました。

廊下に出された妹ちゃんは、寝転がってじたばた暴れていましたが、
看護師さんが見えなくなると、「ふう」と息をついて静かになりました。


病院から帰る直前は、
妹ちゃんは奥の処置室で、診察室にいたのとは別の看護師さんと
仲良くガーゼをたたむというお仕事のお手伝いをしていました。
そしてご機嫌になって帰宅しました。

         〜 完 〜


まず、妹ちゃんとYさんのストレンクスをみんなで出し合いました。

妹ちゃんのストレンクス
・自己主張できる。嫌なことはいやと言うことができる。
・相手が誰であっても、臆さない。自己主張できる。
・切り替えが早い。(看護師さんが見えなくなったらすぐに落ち着いたり、
 別の看護師さんのお手伝いをしたり。)
・大人の困ることをよくわかっている。
 大人が本気で怒るぎりぎり手前でやめることができる。
・効果的な演出ができる。演技派。
・自分の味方になってくれる人をすぐに見分けることができる。

Yさんのストレンクス
・妹ちゃんのことをよくわかっている。
・妹ちゃんのパターンをよくわかっている。(看護師さんにそっとしておいてくださいと言った)
・妹ちゃんのすることや、先生や看護師さんのすることに口を出さない。
 見守っている。
・冷静に、自分がどうすればいいかを考えている。


Yさんは、妹ちゃんがいやだーと騒ぎ始めてからは、
もうそれをやめさせるいい方法はないとわかっていらっしゃったので、
Yさんがこのエピソードで気になっているところは、
妹ちゃんがなぜ先生の手を叩いていたのか、ということでした。
(この妹ちゃんの行動を、アドラー心理学用語で「ライフタスク」といいます)

そこで、Yさんが「妹ちゃん、やめよう」と言ったことで、
(このYさんの行動を、アドラー心理学用語で「対処行動」といいます)
妹ちゃんにはどうしてもらいたかったのかをお聞きしました。
(このYさんの考える妹ちゃんの理想の行動を、
 アドラー心理学用語で「仮想的目標」といいます)
Yさんは、このとき妹ちゃんに、
「だって〜だから、(先生の手を叩いているの)」と、
Yさんに言葉で、叩いている理由を話してもらいたかったのだそうです。
そうすることで、妹ちゃんが何をしたいのかをわかりたくて、
そうすれば何かよい方法を見つけられるかもしれないと考えた、と話してくださいました。


Yさんは妹ちゃんの行動の理由を知りたかったのですね。
それで、みんなでこのときの妹ちゃんの気持ちを想像してみました。
Yさんがこのときの様子を詳しく説明してくださったので、
このときの診察は、先生がささっと診ただけで、
あまり妹ちゃんが満足していないようだったということがわかりました。
先生が妹ちゃんの方を見てくれていないことが気になっていたのかな?
妹ちゃんは先生の気を引きたくて、注目関心を求めて、叩いていたのかな?
という意見が出ました。


Yさんが問題だと思われるところをお聞きすると、
妹ちゃんが言葉で自分の気持ちを(「もうちょっとちゃんと診てください」など)伝えずに、
無言でしつこく叩いてアピールした、ということでした。

どうやら妹ちゃんは普段から、Yさんに対しても
Yさんの夫さんに対しても、お姉ちゃんに対しても、
相手にやめてって言われてもしつこく嫌がることをし続ける、
ということがよくあるそうです。
普段はそういうとき、妹ちゃんはどうやってやめることになるのですか?とお聞きすると、
たいていは相手に怒られてやめることになるのだそうです。
・・・状況はよくよくわかります。我が家でも思い当たることがありすぎです・・・emoticon-0124-worried.gif
妹ちゃんにしても、続けているうちに引っ込みがつかなくなっちゃうんでしょうし、
こちらだって怒りたくありません。
どうしたらお互い平和的に解決できるでしょうね。


注目関心をたくさんほしい子っていうのは、お手伝いをしたい子だと、
パセージ開発者の野田俊作先生からお聞きしたことがあります。
問題が起きてしまう前に、何か工夫ができたらいいですね。
そして、よくないことをわざわざしてこちらの気を引こうとしなくたって、
私はいつもあなたを見ていますよって伝えられたらなあと思います。


この日は診察室に入ったときから、
妹ちゃんはイスに大人しく座って、背中を見てもらったりする間もとてもいい子に、
診察がしやすいように服を押さえたり、いろんな方向を向いたり、
協力してくれていたのだそうです。
そう、とっても頑張ってお手伝いをしてくれていたんですね。
でも先生はほとんど妹ちゃんの方を向いてくれなかったので、
妹ちゃんはそれが嫌だったのかもしれません、とYさんが話してくれました。

それでは、次からYさんはどういう工夫ができるかな、とみんなで話し合いをしました。
診察室に入るまでに、妹ちゃんに
「ここの先生はね、あんまりこっちを見てはくれないけど、
 よく効くお薬を出してくれるいい先生だからね、ちょっと我慢しようね。」
と事前に説明をしておく、という意見が出ました。
だってまさか先生に、「うちの子の診察のときは、ちゃんと目を見て話してくれませんか」
なんて頼めないですもんね(笑)
他人の行動は変えられません〜・・・変えられるのは、自分の行動だけですemoticon-0144-nod.gif

それに加えて、妹ちゃんが十分私は注目関心をもってもらえているな、と思えるように
Yさんの行動が工夫できればいいですね、と話し合いました。
この診察のときは、Yさんは妹ちゃんの顔が見えない位置に立っていたそうなので、
ときどき妹ちゃんの顔が見えるところに移動したり、
それができない場合は、背中や肩にやさしく、とんとんと手を当てておく、
ということができるかもしれません。


最後に、パセージテキスト「行動の目的にはどんなものがあるか(4−R)」
の読み合わせをしました。

この診察の日は、いつも妹ちゃんに注目関心をたっぷり与えてくれるお姉ちゃんが、
宿題に一生懸命取り組んでいて、妹ちゃんは話せなかったそうです。
それでよけいに妹ちゃんは、注目関心不足になりやすかったのかもしれませんね。
逆に言うと、妹ちゃんにはお姉ちゃんがいて、ほんとうにラッキーですねemoticon-0111-blush.gif
姉妹で仲良く、育っていってほしいなあと願ってやみません。


Yさん、エピソードを出してくださってありがとうございました。
みなさま、今回もまた深い学びをありがとうございました!



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# by adlerjala | 2016-04-27 23:22 | エピソード