アドラー心理学に基づく    子育てサークルAdlerjala   (アドラージャーラ)活動報告


by adlerjala

第6回Adlerjala 3 エピソード「やだもん!」

第6回Adlerjalaで、メンバーのGさんが話してくださったエピソードです。
記事にすることを快諾してくださってありがとうございました016.gif


     〜やだもん!〜

Adlerjalaの会場の和室。
大人たちが話し合っている間、ちいさい子どもたちは思い思いに遊んでいます。
Gさんのお子さんのIくん(2歳半)は、
木の器2枚にお菓子を入れて遊んでいました。
お菓子を入れて、出して、ひっくり返して、また出して、器を重ねて・・・
と夢中になっています。

そこに、Yさんのお子さんのSくん(1歳)がやって来て、
Iくんの持っている器が気になって、手をのばして遊ぼうとしました。
    あ、Sくん来ちゃった。
    Iがまた自分のを横取りされないようにって、
    押しちゃったりしないかなあ・・・。と身構えるGさん(−1)

Iくんは「いやー!」と言って
木の器をかかえて、Sくんに触らせないようにしました。
それからSくんを押しました。
    やっぱり押しちゃった・・・。なんで押すんだろう?
    自分1人で遊びたい気持ちはわかるけど、
    自分より小さい子には優しくしてほしいんだけど・・・ (−2)


それまで黙って見ていたGさん、Iくんに
「いつも気になるんだけどね、Sくんも遊びたいんだよ。
 叩いたら痛いよ。Iの方が力が強いんだからね。」と言いました。
Iくんは「やだもん!」と言って、遊びを続けます。
    もう、なんで「いやだ」って言うのよ。
    いっつも「いやだ」で全部返すの、ほんとイライラする!(−4)


Gさんは、Iくんのことはそのままにして、
Sくんに「こっちでもいい?」と言って
別のおもちゃを手渡しました。
Sくんは渡されたおもちゃで遊び始めました。
    Sくん、ごめんね・・・。Iの持っているおもちゃはあきらめて。


     〜完〜


このエピソードは、ついさっき目の前で起きていたことで、
他のメンバーのみなさんは、GさんがIくんとSくんに対して
とても穏やかに、ていねいに話しかけておられたのを見ていました。
なので、あのときまさかGさんが陰性感情が(−4)になっていたなんて!
と驚きました。
みなさん、次々に登場した人たちのいいところを言ってくれました。


Gさんのストレンクスは
・どんなときもIくんの気持ちをくんで、思いやっている。
・そんなことしちゃダメ!と手を出していない。
・子どもどうしがうまく関われるように、工夫をしている。
・Iくんに言葉で説明している。
・子どもたちに、とても穏やかに話しかけている。
・まったく怒っているように見えない。
・Yさんに対して、謝っていない。子どもどうしのことだと考えていて、
 親どうしの問題にしていない。

Iくんのストレンクスは
・嫌なことを「いやだ」と言える。
・きちんと返事をしている。
・一生懸命遊ぶことができる。
・Sくんに対して、「ぼくのおもちゃだから触らないで」とアピールできる。

GさんとIくん親子の関係は
Iくんは「いやだ」と言っても、お母さんは怒らないと知っている。
自分の気持ちを伝えても大丈夫、受け止めてもらえるという信頼関係がある。
(お母さんが恐かったら、きっと返事をせずに黙ってしまうと思う)

Sくんのストレンクスは
怒ったり泣いたりしないで自分の気持ちを切り替えて、他のおもちゃで遊んだ。
賢いし、穏やか。

Yさんのストレンクスは
子どもどうしの問題は、子どもどうしのことですよね、と
穏やかに子どもたちを見守っていた。


エピソード自体もとってもかわいらしかったのですが、
みなさんと一緒にストレンクスを次々に出していくと、
ますますお子さんたちがかわいらしく、いい子たちだなあって思えました。
そしてGさんとYさんの素敵なお母さんっぷりにほれぼれしました。
(子ども同士のことは子どもに任せようという考え方を、
 パセージでは「課題の分離」というのですが、
 まさにGさんとYさんは、お子さんの課題を親の課題から分離しておられました。)


Gさんは、Iくんに対して押すのをやめようと伝えた後に「やだもん!」と言われて、
それまでのマイナスの気持ちとまったく違う質の、
大きなマイナスの気持ち=イライラが出てきたんですよ、と言いました。

そこでIくんがどんな気持ちで「やだもん!」って言ったのか感じてみましょうか、
ということになり、ロールプレイをしてみました。
まずGさんはGさん役、Iくんを他のメンバーさんが演じました。
次に他のメンバーさんがGさんの役、GさんがIくんを演じました。

最初にIくん役をしたメンバーさんは、
Iくんはただいやだっていう自分の気持ちを言ってるだけなのかも・・・。
「やだもん」に悪い意味とか意図とかは全然なくって、
お母さんに怒られてるというのも特に感じないし、
まさか自分が「やだもん」って言って、お母さんがイライラしたなんて思っていないかも。
とIくんの気持ちを推理してくれました。
他のメンバーさんも、そんな感じかもしれませんね〜とにこにこ。
Gさんも、Iくんの役をやってみて、
Iくんは自分に反抗しようとしているんじゃなくて、
ただいやだって伝えているだけなのかもしれませんね、と言いました。


それから、Iくんはいやなときにただ「やだもん」って言うんだという
考えを持ったままで、もう一度GさんがGさん役になって、
同じ場面をロールプレイしてみました。
すると・・・

Gさん「いつも気になるんだけどね、Sくんも遊びたいんだよ。
    叩いたら痛いよ。Iの方が力が強いんだからね。」
Iくん「やだもん!」
Gさん「・・・Iはいやなのね。でも、お友だちが痛いのはよくないよ。」
Iくん「・・・やだもん」

というお芝居に変わってしまいました!
Gさんに感情をたずねると、イライラする気持ちがなくなってしまったそうです。
ほんとうに自然と、「Iはいやなのね」と、
Gさんの口からIくんの気持ちをくんだ言葉が出てきて、感動的でした。
Iくん役のメンバーさんは、それに対して「やだもん」と返事をしたけれど、
それはただ自分のおもちゃは貸したくないもんという意味で、
お母さんの言うことはもっともだなあという気持ちでした、と説明してくれました。



これまでも仲の良い親子が、より仲良くなれそうな予感をもてました。
ちなみに、Yさんはエピソードの現場を見ていたとき、
2歳半ってこういう時期なんだなあ。これからうちの子もこうなるんだなあ。
でも子どもどうしの関係だからしかたないね、と思っていたそうです。
Gさんから、いわゆるイヤイヤ期に対するマイナスイメージが変わって、
いやって言えることは素敵だなと思えた、と言っていただけて嬉しかったです。

素敵なエピソードをお話ししてくださったGさん、
ロールプレイで役を演じてくださり、たくさんの発言をしてくださった
メンバーのみなさん、
ご協力ほんとうにありがとうございました!



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by adlerjala | 2016-03-16 15:15 | エピソード