アドラー心理学に基づく    子育てサークルAdlerjala   (アドラージャーラ)活動報告


by adlerjala

第11回Adlerjala2 エピソード「遠足のおやつ」

第11回AdlerjalaでAさんが話してくださったエピソードです。
記事にすることを快諾してくださってありがとうございました016.gif


      〜 遠足のおやつ 〜

Aさんの娘さんは、学校の遠足のために買ったおやつを台所の引き出しにしまっていました。
その日Aさんは体調が悪くて寝ていて、お昼ご飯の用意ができませんでした。
昼過ぎにAさんは台所に行きました。

娘さん「遠足のおやつは?」 (Aさんの感情 ー3)
Aさん「え?買ったでしょ?あるでしょ?」
娘さん「ない・・・」     (Aさんの感情 ー4)
Aさん「ないじゃないでしょ!」
引き出しを開けると、おやつはありません。(Aさんの感情 ー5)

Aさん「食べたの?食べたらないに決まっているでしょ?
    自分で食べたらもうないです。」
娘さん「いやだー!」と泣き出しました。 (Aさんの感情 ー5)
Aさん「泣き声はいいです・・・」と言って寝室に戻りました。

    
      〜 完 〜


今回は、新しく学んできたエピソード分析の手順に沿って進めました。
なのでいつものようにストレンクスを探すことはしませんでした。
ちょっと物足りないかな?と思いつつも必死に進めていきました・・・
たどたどしい進行で申し訳なかったです008.gif


対処行動はAさんが「え?買ったでしょ?あるでしょ?」と言ったことに決めました。
ライフタスクは娘さんが「遠足のおやつは?」と言ったことです。

次に仮想的目標を定めます。
娘さんに「実はね、お昼に食べるものどうしようかなって思って、
     そしたら遠足のおやつがあるじゃないって思い出して、食べたの。
     お母さんに相談しようかと思ったんだけど、お母さん寝てたでしょ、
     だから自分で決めたの。」
と言ってもらう、ということに決めました。
「人相書き」でこれを仮想的目標だと確定しました。

この仮想的目標をさしあたり協力的だと評価して、
「よかった!」と言うことで感情を静めて、
仮想的目標を「お願い口調」で言ってみます。
「遠足のおやつは、お昼ご飯の代わりに食べたって言ってもらえませんか?
 お母さんに相談しようかと思ったけど、
 寝てたから自分で決めたって言ってもらえませんか?」
これを対処行動の代わりに言ってみます。

何度か役を交代しながら、もとの対処行動と新しい代替案でロールプレイをしてみました。
Aさん自身は、いい代替案だと思います、とおっしゃいましたが、
ロールプレイで娘さん役になったメンバーさんは、
「その通りなんですけど、何にも言えなくて、しゅんってなっちゃいました」
とのことでした。
せっかくですので、Aさんはご自分の私的感覚まで出してみたいですという話になったので、
この先も続けて進めました。

この代替案のもとになっている仮想的目標は競合的だと評価することにして、
ライフタスクに対する思考をお聴きしました。

Aさんが娘さんから「遠足のおやつは?」と言われたときの思考は、こうでした。
「なるほど、おやつを食べてしのいだんだ。
 でもその言い方では何も伝わらないぞ。
 ちゃんと説明してくれたらわかるのに、なぜちゃんと言わないんだろう?
 自分でお腹がすいたことについてちゃんと解決はしたんだな。
 それはいいことだけど、でも私は今はそんなこと言いませんよ。
 「食べた」っていうこと、隠さずに言ってよ。 」

さて、ここからAさんの私的感覚を定めます。
山場です!
みんなでたくさん話し合って、Aさんのお話をたくさんうかがって、
なんとかまとめたのがこちらです。
この話し合いをすることで、Aさんがどのような方なのか、
いろいろな発見がありました。
Aさんが安心して話してくださったことがとても嬉しかったですし、
メンバーのみなさんがあたたかく協力してくださったのもとても嬉しかったです。
(「私的感覚」はたいへんにプライベートな内容なのですが、
 すべて書いてくださいと言ってくださったAさんに感謝です。ありがとうございます!)

「上手に説明する/下手な説明をする」
「良いようにとってもらう/悪気があったと誤解される」
「なんとかなると思う/まずいことになると思い込む」
「問題を解決する行動をする/問題を放置する」
「正直に言う/ばればれな嘘をつく」

たくさん出てきたこれらの私的感覚から、
ひとつ選んで、さらにそれのプラスかマイナスのどちらかの側を
協力的な仮想的目標にします。
今回は、「問題を解決する行動をする」というプラスの私的感覚を
協力的な仮想的目標にしました。

最後に、この仮想的目標を「お願い口調」で言ってみることで
このエピソード分析は終わります。

またいろいろと話し合いをして・・・
「お昼ご飯の代わりに遠足のおやつ見つけたのかな?
 お母さんを起こさないようにしてくれたのかな?」
と言うことに決めました。

この新しい協力的な仮想的目標の代替案でロールプレイをしてみました。

娘さん「遠足のおやつは?」
Aさん「お昼ご飯の代わりに遠足のおやつ見つけたのかな?
    お母さんを起こさないようにしてくれたのかな?」
娘さん「うんそうなの!自分で決めたんだよ(^^)」

わあ、なんて優しいお母さん!
娘さん役のメンバーさんも、演じていないメンバーさんも、
みんな思わずにこにこしちゃいました。
Aさんも、ああこっちの方がずっといいですね、
最初の「遠足のおやつは、お昼ご飯の代わりに食べたって言ってもらえませんか?
 お母さんに相談しようかと思ったけど、
 寝てたから自分で決めたって言ってもらえませんか?」っていうのは、
やっぱりちょっと裁いてる感じがありますね、と話してくれました。

不思議ですよね・・・。
この最初の代替案と後の代替案、使っている言葉自体はよく似ているのですが、
まったく違います。
だから、言い方の問題ではないことは確かです。
「競合的な困った物語」が「協力的な美しい物語」に変わってしまいました。


Aさんは、私的感覚が出たことで、
「いつも怒ってしまう地雷」に名前がついて良かったです、と話してくれました。
それに、「困った事態であってもプラスの方に目がいく場合」にも名前がつきました、と。
嬉しいポイントと、地雷ポイントは、表裏一体なんですね。


試行錯誤しながらでしたが、なんとかよい結果が出せてよかったです。
みなさま、協力してくださって本当にありがとうございました。
そしてあらためて、
記事にすることを快諾してくださったAさん、ありがとうございました。
ものすごく深く、多くのことを学ばせていただきました。



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by adlerjala | 2016-04-29 01:01 | エピソード