アドラー心理学に基づく    子育てサークルAdlerjala   (アドラージャーラ)活動報告


by adlerjala

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第12回AdlerjalaでMさんがお話ししてくださったエピソードです。
記事にすることを快諾してくださってありがとうございました016.gif


    〜だまっちゃった子〜

Mさんが親戚のお子さんの小学2年生のYちゃんきょうだいと、
Mさんのご両親たちと一緒に公園に遊びに行きました。
MさんとYちゃんは一緒にすべり台で楽しく遊んでいたのですが、
急にYちゃんが暗い顔をしてすべりました。

すべり終わった後、Yちゃんはじっとうつむいて黙っています。
Mさん「どうしたの?何かあった?」
Yちゃんはあいかわらずうつむいて黙っています。
Mさんは「どうしたのかな?」と聞きますが
Yちゃんは答えず黙っているので、困っていると、
Mさんのお父さん(Yちゃんのおじいちゃん)が
「なんだYちゃん、やっぱりコイにエサやりたかったんかあ〜。
 エサのお金あげるから、行ってきんさい。」と言いました。

Mさんが「コイにエサあげに行こうか?」と言うと、
Yちゃんは素直についてきました。
コイにエサをやり始めると、Yちゃんはごきげんになりました。


     〜 完 〜


普段あまり会わない親戚のお子さんのYちゃんと一緒に遊ぶことになって、
楽しく遊んでいたのに急にうつむいて黙ってしまったので
Mさんは困ってしまって、どうしたらよかったのかわからなかった、
とお話ししてくれました。
Mさんが「どうしたの?何かあった?」と聞いたとき、
Yちゃんになんて答えてほしかったのかとお聞きすると
暗い顔をしている理由を答えてもらいたかったそうです。

さてこの仮想的目標は、協力的な目標でしょうか?それとも競合的でしょうか?
・・・もちろんとっても協力的ですよね!と話し合いました。
Yちゃんが理由を話してくれたら、
Mさんはできる限りYちゃんを明るい気持ちにできるように手助けをしたかったと
お話ししてくれました。

そこで、今回はエピソード分析はせずに、パセージテキストを使いながら
よりよい方法を考えることにしました072.gif

ちょっと私が不思議だったのは、
Yちゃんのおじいちゃんが「なんだYちゃん、やっぱりコイにエサやりたかったんかあ〜」
と、「やっぱり」というセリフを使ったところ、
そしてYちゃんがコイのエサやりに素直についてきた、というところでした。
Mさんはこのことについて、
Yちゃんはよくおじいちゃんにこの公園に連れてきてもらっていて、
よくコイにエサをやって遊んでいるんです、と説明してくれました。
なるほど!それでおじいちゃんは「やっぱり」って言って、
Yちゃんのごきげんが良くなる方法を提案してくれたのですね!
おじいちゃんナイスアシストでした049.gif


でも、Yちゃんのことをよく知っているおじいちゃんがいない場合や、
また別の子どもさんが黙って答えてくれないとき、
「コイにエサをやろうと言う」っていう方法は使えないので(笑)
子どもさんへの質問の仕方の工夫について考えました。

パセージテキスト11ーL、「さらに子どもの話を聴く」を使いました。
開いた質問とは、
「いつ?」「どこで?」「どんなふうに?」「それからどうしたの?」など、
子どもの考えを聴くために使うことができます。
Mさんはこのエピソードのとき、Yちゃんの気持ちを知りたいなと思って、
開いた質問をしていたわけですね。
でもそれに対して、Yちゃんは答えてくれなかった。

閉じた質問とは、
YesかNoで答えられる質問で、「あなたは〜と感じているのかな?」というように
こちらの考えを子どもに伝えるために使うことができます。
こちらの推量がもし当たっていれば、
子どもにとって仲間だなと思ってもらえるでしょうし、
もし外れていても、「それは違うよ」と言ってもらえれば、
子どもの考えを聴くきっかけになります、
ということがパセージテキストには書いてあります。


このエピソードのときのMさんの行動はとっても協力的で素敵だったと思いますが、
次に同じようなことに困ったら、
「どうしたのかな?」と開いた質問で聞いてみた後、
「Yちゃんは、もう一度すべり台すべりたかったのかな?」とか、
「他のことして遊びたいのかな?」とか、
「もしかして、〜って思ってるのかな?」
というように閉じた質問を使ってみるといいかもしれませんね、
と話し合いました。

こういうふうに聞いてもらえたら、私の気持ちをわかろうとしてくれてるんだなあ、
なんだか大事にしてもらってるなあって、子どもは思えると思うんです。
Mさんのお話しをうかがって、私はよく知っている自分の子どもに対しても、
こういうふうに寄り添って、
子どもの気持ちをていねいに聴いていきたいなあと思えました。
Mさん、素敵なお話をどうもありがとうございました。



他のメンバーさんからは、このお話はMさんとYちゃんとがよい関係だから、
Yちゃんは黙るということだけですんだんじゃないかな、という意見が出ました。
開いた質問に答えない、という行動の目的は、
そうやって黙っていることで注目関心を得るということではないかな、と。
そうですね、その可能性は大いにありそうです。
だってMさんはYちゃんのことが気になって、とっても困ってしまいましたものね。
注目関心を引くの、Yちゃん大成功です037.gif
でも、もしMさんと関係がもっと悪かったら、
Mさんがもっと困るような、泣いたり叫んだり、あるいはお兄ちゃんを叩いたりとか
色々な行動を選ぶことだってできたと思います。
それが、黙ってうつむいているだけだったというのは、
MさんがきちんとYちゃんに向き合えていたということの表れだったのかもしれませんね。

Yちゃんは実際、黙っているうつむいているだけで、
おじいちゃんのナイス推量によって、コイにエサをやれたんです。
なかなかの腕前ではありませんか・・・!
子どもには、困ったときや、自分が何かしたいときに、
自分の言葉で周りの人にお願いをする、ということを学んでもらいたいものですよね。
MさんがYちゃんの気持ちを推量しながらYちゃんの気持ちを聞いていく、
ということは、Yちゃんにとってもよいことを学ぶきっかけになりそうです012.gif


Mさんのご親戚は、みんなで子どもたちを世話していて
とても素敵だなあという話にもなりました。
子育てっていう大変なことは、母親がひとりきりでできるようなものではありません。
周りの人に助けてもらいながら、社会の中で子どもは育っていくのですね。
それに、子育てっていう楽しいことを、母親がひとりじめしてもいけないですよね。
おじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさん、あるいは近所の人たちも、
子どものいる暮らしを一緒に楽しんでいけたら、
それはとても幸せな社会だなあと思います。

みなさま、今回もたくさんの深い学びをありがとうございました!


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by adlerjala | 2016-05-16 18:23 | エピソード

第12回Adlerjala

5月12日に、Adlerjalaを開きました。
いいお天気に恵まれて、さわやかな朝でした。
参加メンバーは大人3人+ちいさい子2人でした003.gif003.gif
この1歳の子たちにちいさな友情が芽生えはじめたようで、
それがたいへんかわいらしくて嬉しい気持ちになりました。
みなさま来てくださってありがとうございました053.gif


はじめに、連休中のようすなどをお聞きしました。
私が連休中にアドラー心理学秘訣講座に参加したことなども報告しました。
講座に出て、前回Aさんにしていただいたお話に試してみたエピソード分析は、
私がやり方を間違ってすすめてしまっていたことがわかりました。
大きな方針としては、権力争いのエピソードとして扱う方がよかっただろうということです。
エピソード分析の手法をうまく使いこなせるように、
また機会があれば練習させてくださいね。



それからMさんにエピソードをお話ししていただきました。
親戚の小学2年生のお子さんとのやりとりで困ったときのお話でした。
このエピソードではMさんがとっても優しくて協力的だなと感じたので、
Mさんがもっと子どもさんを手助けできるような工夫を
パセージテキストを使って考えてみました。

自分の子どもではない子どもさんとのやりとりって、けっこう緊張しますよね。
その子がどういう考え方をするのか、よく知らないし・・・
自分のことを仲間だと思ってもらえる自信もないし・・・
でもこういう場面でも、私たちにできることは
やはり「子どもの話を聴く」ということだと思います。

Mさんは、どうしたのかな?何があったの?、と
「開いた質問」で子どもさんの気持ちをきこうとしたのですが、
子どもさんは何も答えずに黙っていたので、
どうしたらいいのかわからなかったということでした。
開いた質問に対して子どもが答えたくないときは、
Yes/Noで答えられる「閉じた質問」で、
相手の気持ちを推量してみるのもいいかもしれません。
その推量が当たっていても外れていても、
子どもは、この人は自分の気持ちを考えてくれてるんだって、
この人は仲間だなって、感じてくれると思います072.gif


次にKさんにエピソードをお話ししていただきました。
アドラー心理学の目指すものは、協力的な人間関係を築くということです。
家庭では、異なった考え方をもった人々が一緒に暮らしているんですよね。
だからこそルールというものが必要ですし、
そのルールはみなが納得できるものでなければいけません。
異なった考え方をする人どうしが、
どうすれば仲良く、協力して暮らしていけるでしょうか。
いろいろと考えさせられるお話でした。


エピソードを出してくださったMさん、Kさん、ありがとうございました。
すべての問題が解決するような呪文なんてなくて、
ひとつひとつのやりとりに、ひとりひとりの関係の築き方に、
それぞれに工夫をしていくことしかできないんだなあと感じました。
でもその小さな工夫を通して、
子どもたちに大切なことを学んでもらうこともできて、
私たちの方も成長していくことができるのだと思います。
日々のちいさな困りごとを大切にしていきたいなとあらためて思いました056.gif
ありがとうございました。




次回以降のAdlerjalaは
5月20日(金)
5月24日(火)です。
ご都合のよい方はぜひいらしてください060.gif

055.gif m.miho.indigo.horizon@gmail.com
    松村美穂



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by adlerjala | 2016-05-12 16:21 | 活動報告